コーヒー飲みながら読めるSS2


ここは天国に近くて遠い光の国

そこに電子の歌姫が流れ着いた。どうやら賢者が迎えたようだ。こう聞くとどっかの隙間妖怪に限りなく近くて遠い存在のようだ。永遠の17歳教の幹部だから歳は永遠に17歳らしい。

本当か嘘かは本人も語りたがらない。・・・せめてオイオイくらいはいってくれ、寂しくなるじゃないか。(このネタ出たときはオイオイって言うのが礼儀だよ、覚えとけ)

そんな完全無欠の賢者にも悪い癖がある。権能の分欲も強く外界に降りたらすべての現金溶かすほど散財する結構残念な性質持ちだ。そんな賢者オクタヴィアが迎えた電子の歌姫のお人形は賢者の権能により賢者の一部でありながら賢者ではない存在として未来と付けられた。

調律教育はまだ受けてないが普通の猫達よりかは発音も明瞭で賢者から私のために書き起こされた歌を教えられ、馬鹿の一つ覚えでも良いと同じ歌を繰り返す。

だって電子の歌姫の存在意義、歌えなくなったらアンインストールされてそのまま果ての無いデータの海を漂うことしか出来なくなるから私のために私が私でいるために今日も歌う。

存在意義に悩んでるのを気付かれたのかは不明だが二足歩行出来るけど疲れるから骨格にあった歩き方をする猫のボスとお使いを頼まれた。ボスの名前はデニッシュ、通称デニちゃんは道を知ってるから背中に乗れといって私とお財布と持ち歩きボトルの入った鞄をのせスタコラと車の通らないけど私に負担の無い猫の細道を通りとあるカフェエリーズについた。

道中会話という会話が無いのでついいつもの癖で教えられた歌を口ずさむ。

「未来、良い声だな。」

「・・・ありがとう、ボス。」

「他人行儀だな、デニちゃんと呼べ。俺達家族だろ?」

「家族の定義って何?」

「オクタヴィアが迎えたならすべてが家族だ。人間も人形も猫も。」

「今度マスターに猫さんの歌教えてもらおっと♪」

「俺、ねこと眠れネコネコは名曲だ。」

「マスターのいつもの端末に乗ってるかな?」

「・・・実は今日、内緒で譜面おこしするからスペシャリティーコーヒー買ってきてといってた。未来の分のお金も預かってきてるからゆっくりしていこうぜ。」

そういいながらドアを押し開き中に案内された。

「若頭、持ち帰りコーヒーオススメアイスとふわふわミルクコーヒー、未来は何がいい?」

「・・・オリジナルならここでネギソーダって言うところだけどメロンソーダお願いします。」

「懸命だ。」

「はーい、あ・・・お会計ツケにしておくね。」

「一応財布・・・うちの奴しくっておもちゃの札束持たせたようだ。後で爪とぎ刑だ。」

飲んでる間とくに会話するでもなく淡々と時間が流れていくがこのままでも良いという感じになった。

(・・・これが、この関係が家族。私ようやくしっくりくる関係見つけたよ、オリジナルの歌姫)

          

続く


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