光の国の端のこの国に来たら最初に訪れるカフェエリーズ
そこは人間も人形も猫も訪れるカフェ
いわゆる幻想郷に該当する不可侵の領域に住む賢者オクタヴィアはいつものようにスペシャリティーコーヒーを飲みながら何かをタイピングしていた。
「グアー!!データ飛んだ-!!」
肩まで伸ばしたシャギーカットが本人の手によって乱雑に乱れる。
「あはは・・・やり直しだ、行って来い。」
「某れとさんのネタにゃーん」
いにしえから動画配信者を見てる二人は光の国の住人になっても動画コンテンツがすきなようで良くネタにする。
「それよりもこのデレデレプキャさんの甘ったれはいつから?」
「抱っこ~♪抱っこ~♪」
「同族の匂いする人と女性は概ね好かれる、女好きだね基本的に」
絡み付くように抱かれてご機嫌くるくる言いながら女性ならではのモチモチ肌を堪能するプキャさん。人間がやったら犯罪の臭いするけどやってるのは猫だ。猫ならセーフである。
「抱っこしますよー毛並みつやつや今いくつ?」
「誕生日来たら7歳のライトシニア。ジャニーズ系イケオジニャンコだよ。」
「確かにイケメンだね・・・はい領収書。」
「持ち帰りコーヒーも淹れてくれる?」
「はーい、オススメでいい?」
「美味しいの頼むよ。」
プキャさんを主人に渡しコーヒーの支度をする。
「そういえばねずこはいい加減デフォルト衣装着てるの見たいけどどうなってるの?」
「メルメルで頼んだ。最初に買った奴失踪した。」
「ありゃま」
「ねずこ、新しいお洋服、届く。」
鞄からひょっこり出てきたねずこはあからさまに機嫌がいい。表情筋あるか不明ながら瞳の光がキラキラと宿ってる。
「専用なかったもんね。」
細く長い指がうりうりとねずこの頭を撫でる。さらに機嫌よくなるねずこ。プキャもしてと鼻ドリルしながら撫でて要求してる先にはデータの移設終わったタブレット端末がある。秒速で通信を遮断してキーボードに乗っても変な書き換え防いでた。
今日の作業と送り迎えの時間がそろそろ来るところで端末とキーボード、そしてねずこを鞄にそっと入れてプキャをリードに結び付けて帰るよーと言う側から抱っこちゃんになるおっきい赤ちゃんしてるプキャを抱き颯爽と帰って行った
「また来るよ~♪」
「またねー」
こんな毎日が続きますように、イカレ帽子屋のお茶会のようになんでもない日を祝えるように上空の龍に祈ることしか出来ない一応人間の賢者は祈る。
続く