続・帰宅したら彼女がドールになってました1


いつも以上によく寝て久しぶりにスッキリ起きたら知らない天井にはて?となり起きてみたらホントに知らない部屋でした

1人何が起きた?と自問自答を繰り返すけど何も分からないのでとりあえずお気に入りのもふもふにゃんこ達を居るか確認して布団の上に乗っててとりあえず猫達が居るからとりあえず安心して毛布に潜り込みこれは悪い夢だともう一度寝る支度をしたら薬研が隣で寝てたので腕の中に潜り込み温もりを体感してると薬研が気付いて起きた。

「おはよう、芳乃。良く寝たみたいだからついでに引っ越しした。あの土地は芳乃の命を狙う奴が潜んでたからな。」

「マジ?猫達が居るからとりあえず文句なしだけど色々届くのを待ってたけど。とりあえずこの身体は?」

「言ってただろ、奇跡の魔法だ。」

「アレは単なるミームになったネットスラングを口にしただけだよ?」

「それがあったんだよ、まあ世の中色々あるが考えるな、感じろだ」

「どこのニュータイプだ」

軽口の調子が良いので信じてた薬研がそのまま来てるからそんなに文句無いけど、とりあえずここはどこなのかな?

「おーい、お姫さん起きたか?」

「薬研の上司さんも居る…」

「この姿では初めまして、五条国永こと鶴丸国永です、薬研の上司でした〜」

「五条って事は呪霊退治のお家?」

「ああ、悟とは遠い親戚。アイツはオレの事胡散臭い親戚扱いしてるけど、本来の姿は薬研と同じ刀剣男士でお姫さんのお家は今日からここがお家です〜」

「ちょっと待て、初耳だけど!?」

「ノリの良いお姫さんで何より、こんなにポンポン口が回る快活そうな利発的なノリは審神者として優良だからな。」

何が起きたか分からないけどとりあえず命狙う奴からは逃げる1択だし、最適解だけどもう少し話そうね?とまだ寝ようとしてる薬研の頬を引っ張った。

「いででで、わーったよ芳乃。朝メシにしよう、この初回での席で先制パンチだ一張羅着るぞ。」

出されたのは丁寧に作られた今の身体的に合う青い振袖に赤い帯の総花柄の艶やかな振袖だった。

「これ襦袢要らないの?」

「縫い付けてあるから平気だ。」

「オレは先に行くからな?お姫さんの着替えは薬研の領分だ」

「おう、見せる気もない」

「過保護だけどまぁさもありなん、こんなに別嬪さんだ。清く強く美しい睡蓮のようなお方に仕えられて本望、歌仙に1つ追加頼んでおくよ。」

「ああ、頼んだ」

いとも簡単に着付けを終えて髪にも手を出した薬研、櫛は通すが朝ゆえの気軽さとしておすべらし風ひとつ結びにして片腕に抱え居間に向かった。

既に刀剣男士達が集まる居間に未だに打刀の姿を取る薬研に怪訝そうな視線が交差する。

「緊急事態だ、主なき本丸に真の主である、オレの神嫁が降誕した。」

「え?神嫁って…薬研兄の?」

朝餉の支度を手伝ってる最近ようやく加入した乱藤四郎が驚きの声を上げる。

「ああ、この腕に居る小さい睡蓮のような異能の姫だ、名を芳乃。オレが現世より見つけてきた魔法少女なる異能を持つオレの神嫁だ。」

「魔法少女って…確か調べに行ってた少女誘拐拉致監禁事件の特定として、何人か監視対象にしてた女の子達の事だよね?」

「ああ、無茶な契約を勝手に施され、このようなオレ達にとっては片手で持てる位小さくなる奇病に罹患し、日常生活もままならないように無理やり落とし込み、自尊心や尊厳を無くさせて、最悪そのまま死に至る病だ。未だ戻らない他の奴等も何人か保護してる。いずれ帰城するだろうけど解決策は、不明な魔法少女の契約をさせる前に契約を主張する汚いドブネズミを排除する必要がある。」

「ほぅ、小さな身体に、随分と大きな華を咲かせたものだ。……さて、この美しき主は、一体何処の古い物語から、今日の朝餉に迷い込んだものか。はっはっは。」

「三日月、悠長な事言ってないでとにかく保護分母増やすしか無いんだよ…」

「我等のような主なき泡沫本丸は多いと聞く、故に麗しき姫君の来訪にオレは賛成だ。オレの神嫁も居るかもな。はっはっはっ」

悠長に笑う三日月宗近に呆れの視線送る刹那、芳乃がまだ眠りの世界から戻らないのを気付いた薬研は起きるように、自分だけの宝物を壊さないように触れ合う。

「ほら、朝メシだ。起きろ、芳乃」

「…ん、まだ眠い。薬研の腕の中安心する…」

あどけない様子をみた乱藤四郎と三日月宗近は自分にもこんな可愛いお姫様が居るのかと、思い任務へのやる気が出た。何よりも自分の腕の中だけで眠れる姫君を待ち望み、任務に当たる事への給料分以上の働きを期待して。

朝餉が出されて、未だ半分夢の中に居る芳乃を薬研は腕に抱え食事を摂らせる、口元にあてがえば小さくとも可動域は人間と同じ、食物を必要とする小さい人形姫を甲斐甲斐しく世話を焼く薬研を見て乱は羨望の眼差しを送る。

(僕にもいつか薬研兄のようなお姫様欲しいな…この世に居るなら)

そう思いながら歌仙が作った絹豆腐とわかめの味噌汁をすする乱だった。

朝餉後に何人か帰宅して同じような異能の姫を迎えてきた兄達を見て乱藤四郎は咄嗟に普段の武装のままに本丸を飛び出した。

「…どうして、僕にはお姫様が居ないの…?まだ弱いから…?」

​戦場で荒廃した荒地に佇み嘆く乱に、厚藤四郎が力強く肩を叩き、五虎退が手を握り、京極政宗が優雅に声をかけた。

「乱、貴方は決して弱くはありません。ただ、運命の剣が貴方を優雅に選ぶ時を待っているだけです。さあ、本丸に戻りましょう。」

戦場で荒廃した荒地に佇み嘆く乱に追いかけてきた厚藤四郎、五虎退、京極政宗に慰められて戻ろうとした瞬間別の国の魔法少女達が必死に歴史修正主義者から逃げ惑ってるのを見た乱達は、彼女達もまた人形病に罹患してるのを把握して歴史の異物として処理されそうになってて咄嗟に助けないとと戦場に躍り出た。

そこにはマギウスの翼である灯花、ねむ、うい、そしてタルトとリズだった。

「助太刀感謝します。どうしましょう、もうグリーフシードが無いのでタルトの浄化が出来ません、何かしらの助けが出来ますか?」

乱の腕の中でぐったりと力尽きてるタルトを見て乱は悟った、彼女が僕のお姫様だ。

騎士の誓いなんて無い、武士の本分も無い、本能的な渇望から生まれた奇跡を乱は手放す予定は無かった。

「本丸が近くにあるからそこに行こう、助けになるかは、分からないけど保護は出来るから。」

声が掠れてて上手く口を紡げた気がしないけど黒衣のドールには伝わったみたいで安堵する乱。

京極がその黒衣のドールを抱きかかえ、参りましょうと優雅に転送ポータルを開いた。

厚と乱、五虎退、京極の帰還を聞いた長兄一期一振は乱の独断の判断は非難してはいたが、新たなる救いを必要とする芳乃と同じ奇病に罹患した魔法少女達を連れて帰った事には非難しなかった。

「とりあえず手入れしてみましょう、乱、彼女に付き添いなさい」

「はーい」

普段の自分の手入れではただ寝てるだけで良いけど彼女への手入れの方法は知らず力なく眠る異国の服を纏う少女にとにかく祈りを捧げるしかなかった。

その隣の部屋では鶴丸国永はもう1人の救世主の転生体であるういの為に懸命に手入れを施してた。

本来は自身が驚きジジイだが人形病の姫君が自分にもあてがえられるとは思ってなかった。

(うーむ、驚きだが人形病の蔓延を危惧して手入れ部屋の増築しておいて良かった、彼女には失礼千万だがこの奇病は究極の謎だ。この世で最高の「驚き」を解き明かすためには、優越的な研究素材として優雅に観察させてもらうか)

不思議な縁で結ばれた泡沫本丸の刀剣男士達は苦心して治癒する事が無い小さくなった魔法少女達をどう工夫して問題解決するかを全員で考える時期に来た

続・帰宅したら彼女がドールになってました 第一話完


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